2017年 05月 26日
第72期本因坊戦七番勝負第二局 のこと。 |
5月23日(火)24日(水)
第72期本因坊戦 七番勝負第二局が、ここ 島根県大田市大森町の重要文化財熊谷家住宅で行われました。
23日午前9時、本木八段が黒の一手目を静かに打って二日間の戦いが始まりました。
囲碁のことは全くわからない私。
一手打つのに30分以上も長考する場面が幾度とあり、その集中力と精神力に、ただただ圧倒されました。
定刻の午後5時、黒本木八段の69手目で1日目が終了し、白本因坊文裕が70手目を封じました。
24日午前9時、先に入室した本木八段が碁盤を白いハンカチで丁寧に清めた後、両対局者が一手一手前日までの手順を並べられました。
その美しい手の運びに、感動しました。
そして、本因坊文裕の「封じ手」が開封されて2日目の対局が始まった瞬間・・・鳥肌が立ちました。
午後3時55分、110手で本因坊文裕が挑戦者の本木八段に白番中押し勝ちし、開幕局に続いて連勝。
両対局者の消費時間は、黒本木八段が7時間12分、白本因坊文裕が5時間38分でした。
対局会場は、かつて幕府巡見使や大名家役人の接待などに使われた「奥の間」です。
床の間のお軸、何を掛けようか迷いに迷った末、
熊谷家中興の祖「熊谷民右衛門直忠と妻お松」の肖像画を掛けることにしました。
ご先祖様も、この大一番を固唾を呑んで見守っておられたのではないかと思います。
ピーンと張りつめた空気。静寂。緊張感。。。
毎日見慣れた熊谷家なのに、まるで別の家にいるような、とても不思議な気持ちになりました。
そんな対局の舞台裏。
これもまた、熊谷家が1801年に再建されて以来、おそらくはじめてだろう、ものすごい光景でした。
なんとも不思議な光景でしたが、
こうなっているのか! こんなふうに出来上がっていくのか!!と、それはそれはワクワクしました。
対局会場には、定点カメラと照明をとりつけるための櫓が組まれました。
道路を挟んだ向かいの「オペラハウス大森座」では、
23日に、指導碁。
24日には、大盤解説が行われました。
小学生から ??歳まで、たくさんの囲碁ファンが集まって熱心に聞き入っておられました。
ここ大田市は、碁聖と称えられた 第四世本因坊道策名人(1645~1702)の生誕地です。
石見銀山遺跡の世界遺産登録10周年を記念して、熊谷家住宅での対局が決まりました。
お二人が対局に集中できるように、
関係者の方々が仕事に専念できるように、
・・・緊張と不安の連続でした。
このようなすばらしい対局を ここ熊谷家住宅で開催させていただいけた事。そのお手伝いをさせていただけた事。本当に夢のような二日間でした。
毎日新聞社さん、日本棋院、関西棋院の方々、大和証券さん、棋士先生方、実行委員会のみなさん、ドワンゴさん、大田市、大田市教育委員会のみなさん・・・この対局に尽力されたすべての方々に、こころより感謝申し上げます。
第三局は、二週間後の6月8日(木)と9日(金)
埼玉県熊谷市の「聖天山歓喜院」で行われます。
すばらしい対局となりますことを。
そして、おふたりの今後のご活躍に、心よりエールを送ります。
(写真・文:オムラ)
by kumagai-ke
| 2017-05-26 18:38