2015年 03月 22日
『とんび』の話 |
「暑さ寒さも彼岸まで」
日に日に春の訪れを実感する毎日です。
熊谷家の衣装展示も、そろそろ春物に衣替え。私のお気に入りの『インバネス』も見納めです。
ほら。かっこいいでしょ!
インバネスコートは、男性用の冬の外套(がいとう)の一種。 燕尾服などの上から着用する防寒着です。
明治の中期に日本に伝わり、袖のないコートとケープが一体になった形は、袖の大きい和装の上からも着られることから大正・昭和と流行します。
スコットランドのインヴァネス地方で生まれたので、こう呼ばれているとか?
日本では、その見た目からでしょうか? 『とんび』 と呼んだりもします。
このインバネスは『ラシャ』という毛織物で作られていて、襟の部分はフェイクではなく本物の毛皮です。
おそらく誂えものでしょう。デザインも素敵ですが、とても丁寧に縫製してあり、見るたびため息が出ます。
私が学生の頃、こんな感じのデザインが流行った時期があります。
上がタイトで裾広がり。全身真っ黒。もしくは白と黒。
流行ったというか、私にとっては「憧れの存在」。
学生ですし、ハイブランドの服なんて当然買えるわけもなく(今も買えませんけど…)
それでも、バイトしてお金を貯めて・・・自分の生活水準からするとかなりハイレベルな服をせっせと買ったものです。
全身真っ黒にきめて、床につきそうな長いロングスカートで実家に帰省した時には、おばあちゃんが目を丸くして
「あんた~その恰好はなんかね?だらずげな。 葬式帰りかね?!」とえらく呆れられたり、
でも、そんな風に言われることもちょっと嬉しかったり・・・あぁ若かったな~と、このインバネスを見るたび懐かしく思い出されます。
そして、もうひとつ思い出すこと。
さらにさかのぼって子どもの頃。「みんなのうた」で流れていた『北風小僧の寒太郎』。
笠をかぶった寒太郎が、マントをひらひらさせながら寒空をくるくる舞うのです。
毎週木曜日の朝は、このインバネスを展示している「衣装蔵」の掃除の日です。
(ここだけの話)私が掃除担当になる日は、いつもルンルンで歌をうたいながら掃除機をかけています。
♪ ひゅ~ん ひゅ~ん
ひゅるる~ん るんるんるん~
冬でござんす
ひゅるるるるるる~ん ♪
寒太郎を知っている人も、知らない人も
「インバネスコート」の展示は今月30日までで~す。
日に日に春の訪れを実感する毎日です。
熊谷家の衣装展示も、そろそろ春物に衣替え。私のお気に入りの『インバネス』も見納めです。
ほら。かっこいいでしょ!
インバネスコートは、男性用の冬の外套(がいとう)の一種。 燕尾服などの上から着用する防寒着です。
明治の中期に日本に伝わり、袖のないコートとケープが一体になった形は、袖の大きい和装の上からも着られることから大正・昭和と流行します。
スコットランドのインヴァネス地方で生まれたので、こう呼ばれているとか?
日本では、その見た目からでしょうか? 『とんび』 と呼んだりもします。
このインバネスは『ラシャ』という毛織物で作られていて、襟の部分はフェイクではなく本物の毛皮です。
おそらく誂えものでしょう。デザインも素敵ですが、とても丁寧に縫製してあり、見るたびため息が出ます。
私が学生の頃、こんな感じのデザインが流行った時期があります。
上がタイトで裾広がり。全身真っ黒。もしくは白と黒。
流行ったというか、私にとっては「憧れの存在」。
学生ですし、ハイブランドの服なんて当然買えるわけもなく(今も買えませんけど…)
それでも、バイトしてお金を貯めて・・・自分の生活水準からするとかなりハイレベルな服をせっせと買ったものです。
全身真っ黒にきめて、床につきそうな長いロングスカートで実家に帰省した時には、おばあちゃんが目を丸くして
「あんた~その恰好はなんかね?だらずげな。 葬式帰りかね?!」とえらく呆れられたり、
でも、そんな風に言われることもちょっと嬉しかったり・・・あぁ若かったな~と、このインバネスを見るたび懐かしく思い出されます。
そして、もうひとつ思い出すこと。
さらにさかのぼって子どもの頃。「みんなのうた」で流れていた『北風小僧の寒太郎』。
笠をかぶった寒太郎が、マントをひらひらさせながら寒空をくるくる舞うのです。
毎週木曜日の朝は、このインバネスを展示している「衣装蔵」の掃除の日です。
(ここだけの話)私が掃除担当になる日は、いつもルンルンで歌をうたいながら掃除機をかけています。
♪ ひゅ~ん ひゅ~ん
ひゅるる~ん るんるんるん~
冬でござんす
ひゅるるるるるる~ん ♪
寒太郎を知っている人も、知らない人も
「インバネスコート」の展示は今月30日までで~す。
by kumagai-ke
| 2015-03-22 10:00
| 重要文化財